Karashi.net-by声なき者の友の輪
2010年代、21世紀に入ってからのインドの急速な経済成長、そして、これからの可能性を私たちはしばしば、目や耳にするようになった。そして、近年では、2020年までに人口の半数近くの6億2千万人が中間層になるだろう、という予測も聞こえている。日本の私たちは、経済停滞が叫ばれて久しい日本にとっての新しい経済パートナーとして、インドに大きな期待を寄せている。実際、日本とインドの経済連携強化の交流の様子が、毎日のようにTVのニュースに登場するようになってきた。
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一方で、インドには現在も、最貧困層としてあえいでいる最下層ダリット(抑圧された人々)の人々が、およそ3億人いると言われている。彼らは、急速に繁栄し始めたインドで、今も一日一人当たり100円以下の収入で、食事も満足にはできないぎりぎりの暮らしを強いられている。
ダリットとは、インドで数千年、続いてきたカースト制度で「人間以下」とみなされてきた階層の人々である。家系により代々、引き継ぐ職業を分類してきた1000以上ものカースト(階層)のどこかにすべての人が属するという制度のなかで、最末端の「不可触民」と位置づけられてきた。清い職業と穢れた職業という分類で、人や動物の死体や汚物の処理、清掃などの職業に関わっていたグループは、あまりに穢れたものとされ、人としてしてさえ� ��類されることのないカースト外に落とされたのだ。そして、気の遠くなるような長い間、過酷な差別待遇を受けてきた。1947年のインド独立以後、憲法上は平等な人間とされたが、人の心と社会に、長期間、醸成されてきた差別を当然視する心の土壌は、簡単に変わることはなかった。過去60年にわたってインドでは法律や政策の見直しが重ねられ、少しずつ彼らの状況は改善してきた。しかし、カースト制度は彼らの宗教とつながり、農村では特に厳しい差別が続いている。たとえば、さまざまな人が集まる食事場所への出入り制限、地域の冠婚葬祭への参加制限、学校での差別、寺院参拝の拒否、共同井戸の使用拒絶などである。
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このため、ダリットたちは今でも自分たちがみなと同じ普通の人間であると信じることが難しく、自信と尊厳を失っている。日々、面と向かって残虐な行為を受け、また、何気ない侮辱的扱いに直面しなければならないのだ。
彼らの10年後はどうなるのだろうか。このグローバル化時代に、インドの中間層の劇的増加は、日本の経済に大きな恩恵をもたらすことがすでに予測されている。が、それとは全く無関係に、ダリットの人々は、中間層が享受する快適さからはじき飛ばされる可能性が高いインドの5−6億人の最底辺の一人になってしまうのではないだろうか。
私たちの生産、消費行動が世界の人々の暮らしにすぐにつながっていく� ��ローバル化した世界で、過酷な暮らしを強いられ続けるこのようなインドの人々の未来を私たち日本人は、どのように考えたらよいのだろう。グローバル化した世界だからこそ、この人々のためにも行動する責任の一端を担っているのではないだろうか。それが、新たな恩恵を受け、新たな責任を引き受けるグローバル化された時代を生きることだと信じて、私たちが出会った「立ち上がった人々を紹介したい。
ラムスラットさんは、同胞ダリットの人々の状況に胸を痛める一人だ。彼はさまざまな差別に遭いながらも与えられた機会をいかし、高等教育を終えることができた。そして、自分が家系や生まれとは無関係に、どれほどかけがえのない存在なのかを深く経験する出会いがあった。生まれ育った地域で「なぜ、自分たちがこんな目に・・。」と思えることが何度もあったが、やがて「いつかこの状況を変えよう」という強い願いに変えられていった。
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現在、インドの首都デリーでダリットの尊厳回復のために、さまざまなグループとネットワークを築き協力することを通して、「自分たちの本来の内なる尊い姿に気づく尊厳回復運動」の輪を広げようとしている。
彼の親しい同胞に、ウッタル・プラデシュ州の貧しい村々で牧師をしているキショル夫妻がいる。彼らの夢は、同胞ダリットがあらゆる奴隷的扱いから自由になり、真理に根ざした自己帰属の場(アイデンティティ)を知り、社会に貢献する一員となっていくという「人と社会のトータルな変革」だ。 今、ラムスラットさんは、この地域で勇気を持って変革という夢を目指そうとするリーダーたちが核となる「人と社会のトータルな変革」を進めるための助言者、訓練者として活動している。
上の写真は、尊厳を回復され始めた人々の定期集会。
写真は、実情聞きとりに集まった人たち。
参加者の家の前で。
キショル夫妻と共に、ウッタル・プラデシュ州の北部の村々でカーストによる差別ではなく、すべての人を等しく大切にするという愛に根差した世界観に変えられ、その小さな愛でお互いに関わりあう人で満ちた社会を目指す次世代の人々を育成することが彼らの夢だ。2010年9月から試みとして始まった活動をさらに深めて、2014年9月までに、このために核となる15−20人の若者たちを育成したいと、下記のように普段の生活に直結する分野に、総合的に関わろうとしている。
この変革を目指して、村々で関わる分野は、
- 「自分たちを人間以下とする制度」に心も考え方も囚われてきた人々が、その考えと行動からの解放
- 女性、そして女児の尊厳の回復
- 教育を受け入れられなかった底辺の人々が願っている識字力向上
- 予防のための保健と衛生の知識
- 正義と公正を求め人の尊厳を尊ぶように、インドのこれからの生き方のモデルとなる若者リーダーたちの養成
- 同じ理念を目指す地域を越えたグループとのネットワーク
<日本の私たちがカタリストのラムスラットさんの夢の実現のパートナーになると・・・・>
- 2,3か月ごとに伝えられる現場活動の進捗状況や近況報告・写真がホーム・ページで更新されると、パートナーになった方々にメールで連絡を差し上げますのでホーム・ページでご確認ください。インターネット操作が難しい方の場合は、郵送で連絡を差し上げます。
- 近況報告を読み、励ましや質問を伝えたい場合は、現地の方たちへその内容を翻訳の上、お届けすることができます。また、現地からの応答を翻訳してお伝えします。
こうして、現地の人たちの喜びや苦闘を身近に感じることができます。また、その苦闘から考え出されていること、生み出されている新たな試みから、パートナーの私たちが身の回りの課題へのヒントを得、勇気を受け取ることができます。
私たちが知らなかった彼らの報告から自分なりに気づかされたこと、教えられたことを伝えたら、自分は取るに足りないといつも感じている彼らにとって、どれほど大きな励ましになることでしょう。また、もっと教えて欲しいことを素朴に質問すれば、いつもは会えなくても私たちが深い関心を持ち彼らの最善を祈り願っていることが伝わるでしょう。質問、コメントの内容によって、現地のふさわしい方が応答します。
- 年1回、プログラムの年間報告とこの一年で大きく成長した方々の喜びの声の原文コピーをメールまたは手紙(翻訳済み)でお送りします。
- さらに現地を深く知り学びたい方のために、およそ3年に1度短期現地訪問ツアーを開催します。
- <こころを合わせて祈りでも応援されたい方々へ>
3か月ごとにニュース・レターで、こころを合わせていただきたい事柄と今までに応えられた出来事をお知らせします。緊急の場合は、メール配信で随時、お知らせいたします。
世界が深い愛と目的によって導かれていることを信じた祈りの貴さと応えてくださる方の素晴らしさを、多くの方々と共に経験することが可能です。
<パートナーになる方法>
カタリストのラムスラットさんたちの夢を実現するために、年間に必要とされる「種」となる資金は今年度80万円です(日本での必要経費分10万円を含む)。
ご送金の場合は、郵便振替で通信欄に「ラムスラット指定」または「インド・ダリット尊厳回復」と指定して下記の口座にお振込みください。
口座名:FVI | 口座番号:00180−0−300201 |
郵便振替通信欄に、連絡用のメールアドレスをご記入くださいますと、随時、連絡が可能です。
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